(続) 冷めた結婚

幸せだったはずの日常が音を立てて壊れていく。



大好きな輝の顔が早く見たい。




輝…。



早く帰ってきて。



帰ってきたら抱きしめて。






心は限界だった。






しかし、その日。輝は10時を過ぎても帰ってこなかった。




そして、10時を少し過ぎたところで携帯が音を立てる。



♪~♪~♪~♪




「もしもし…」



私の携帯には輝と家族と一部の友達しか登録されていない。



友達とは結婚前までは月に何度か会っていたけど、結婚してからはお互い生活が変わって連絡すらとっていない。



家族がこんな時間に連絡してくるはずもない。




だから、表示を見なくても誰が電話してきかわかる。



私は、急いで通話ボタンを押した。

< 95 / 135 >

この作品をシェア

pagetop