(続) 冷めた結婚
幸せだったはずの日常が音を立てて壊れていく。
大好きな輝の顔が早く見たい。
輝…。
早く帰ってきて。
帰ってきたら抱きしめて。
心は限界だった。
しかし、その日。輝は10時を過ぎても帰ってこなかった。
そして、10時を少し過ぎたところで携帯が音を立てる。
♪~♪~♪~♪
「もしもし…」
私の携帯には輝と家族と一部の友達しか登録されていない。
友達とは結婚前までは月に何度か会っていたけど、結婚してからはお互い生活が変わって連絡すらとっていない。
家族がこんな時間に連絡してくるはずもない。
だから、表示を見なくても誰が電話してきかわかる。
私は、急いで通話ボタンを押した。