Bloody Dance~姫と吸血鬼~
Irio
〔珍しく人間の検診頼まれたから来てみたら、結構小さい女の子だねェ~。チカは何をしようとしてんだろ?〕
イリオは疑問に思った。
ヴァンパイアであるチカは何故、人間の女の子なんか拾ってきたのか。
『よっし、じゃあ今から診断を始めま~す。ベットに横になってください』
ローザはイリオに言われた通り、ベットに横になる。
それを確認したイリオはローザの頭に手を乗せ目を閉じる。
その瞬間、ローザは強烈な睡魔に襲われた。
睡魔に勝てなかったローザは、眠りについた。
『さてと、異常は無いかな~?』
イリオは目を開け、手に力を送る。
ヴァンパイアは必ず特殊能力を持っているという、イリオは透視・治療の能力を持っている。
それを生かし、医者としてやっているのだ。
ヴァンパイア相手ならば眠らせる必要は無いのだが、相手は人間。
手を翳しただけで何で分かるのかと問われると答えがたい。
だから、ローザを眠らせたのだ。
透視をやって、イリオはとんでもない事に気付く。
『チカ…君は何をし様としているんだ……』
そして、ローザを見る。
イリオは信じられないローザの過去を知った。
『この子は……』
手をローザの口元に持っていき、口の中を確認する。
すると、小さいながらもローザには”牙”があった。
『この子は…この子も……仲間なんだ』
イリオは、それ以外言う事は無かった。