Bloody Dance~姫と吸血鬼~
ドアが開いたそこには一人の男性が立っていた。

「目、さましたか?」

そう言って男性はなにやらカートを押しながらこちらに寄ってくる。


「あの、ここは何処ですか?」

「ここは俺の屋敷だ。帰ってくる途中お前が倒れてた。」


そういって、男性は暖かい紅茶を手渡してきた。
受け取ると優しく笑い、ローザが寝ていたベットの脇においてある椅子に腰をかけた。

入れてもらった紅茶はとても美味しかった。


「ありがとうございます。 あの……一つお聞きして宜しいかしら?」

「ん?なんだ?。」

「私は誰なのでしょう?」

「……それは俺も解からない。」


そう言って男性は少し困った顔をした。

なんと、ローザは崖から落ちた衝撃で記憶を無くしてしまったらしい。
辛うじて解かるのは自分の名前が”ローザ”と言うことだけ。
他の記憶は全て何処かへ飛んでしまったようだ。


「お前の名前は?」

「ローザよ」

「誕生日は?」

「分からない」

「家族は?」

「分からないわ……何も分からない」



自分ガ誰ダカワカラナイ―-‐




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