視線の先
「……。」


私、一色美咲はメール画面を見てしばらく固まっていた。


そして、なぜか周りをキョロキョロと確認してしまう。

誰も、私なんかに興味ないって!

自分で、ツッコミを入れてしまうのは、きっと動揺しているからだ。



昼休み、一通のメールのおかげで午後からの仕事はずっとフワフワした気持ちが続いていた。



「美咲!
今日、飲みに行かない?営業の人に誘われたんだけど、美咲も是非!って。」



「ごめん!今日、用事あるからパス!また、誘って!」


同期の飲み会も断って、すぐさまパソコンの電源を落とす。

「えっー?…なに、男?」


「はっ?」


同期の一言にドキリとする。


「なっ、そんな訳ないじゃん!そんな相手居ないって!」



そう告げて、颯爽とダッシュする。


ごめん!今日は見逃してー!


そう思いながらも走りだした。





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