クライムハザード
未解決猟奇事件。
スプラッタ映画よろしく、一面がほぼ赤に塗れた現場写真。吐き気を催しそうになるそれを眺め、笑うのだ。
――狂っている。
純粋なまでの狂気に、身体の芯が震えた。
畏怖?
そうかもしれない。
特派に配属されて以来、彼女のおかげで背筋の寒い思いばかりしている。
こっそり溜め息を吐けば、
「キミも見たい?」
血みどろの写真が貼り付いたファイルをずいと差し出され、俺は激しく首を横に振った。
(……やばい、マジに吐きそうだ)