クライムハザード

 未解決猟奇事件。

 スプラッタ映画よろしく、一面がほぼ赤に塗れた現場写真。吐き気を催しそうになるそれを眺め、笑うのだ。

 ――狂っている。

 純粋なまでの狂気に、身体の芯が震えた。

 畏怖?

 そうかもしれない。

 特派に配属されて以来、彼女のおかげで背筋の寒い思いばかりしている。

 こっそり溜め息を吐けば、

「キミも見たい?」

 血みどろの写真が貼り付いたファイルをずいと差し出され、俺は激しく首を横に振った。

(……やばい、マジに吐きそうだ)

< 14 / 105 >

この作品をシェア

pagetop