クライムハザード

「ダイジョブ? 辛そうだけど」

 そう言う、彼女は真っ白いハンカチを差し出した。

 軽く頭を下げてそれを受け取り口元へ宛がうと、ふんわりと花のような香りがした。幾分か、気が紛れる。

「新人クンにはちょーっとキツかったかな?」

 いつもの口調で首を傾げた彼女は、悪びれる様子もなく笑う。

 彼女の手の中にはもう既に事件絡みだろう書類があって、大雑把に目を通していた。

「うーん……面白い事件だね」

 はらり、と、一枚、写真が零れ落ちる。

 それを拾い上げて、俺は絶句した。

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