クライムハザード
この次が、問題なんだよ。
そう、笑みを濃くした彼女は続ける。
「この時、もし君が受話器を持ち変えたら、コードはどうなるかな?」
試しに、やってみる。
右手に持っている受話器を、左手へ――。
「……あ、」
左に、捩れた。
「つまり、被害者はまず右手で受話器を持った。けれどそれを左手に持ち変えた。……ちょっと、わかんないな」
「わからない?」
彼女の言葉が解せなくて、思わず鸚鵡返しにしてしまう。