クライムハザード
「金森禄郎巡査、これから一課の捜査に加わってください。……この事件が終わったら、移動願、出してくれて構わないから、ね」
そんな表情されたら、何も言えないじゃないか。
行き場をなくした苛立ちをどうすることも出来ずに、俺は乱暴にドアを開ける。
「金森禄郎巡査!」
彼女の声に、俺は仕方なく足を止めた。
「……ゴメンね」
自嘲めいた、震えた声。
振り返ることも出来ずに、俺は駆け出した。
解決してみせる、絶対に。
(それが俺の、正義だ)