クライムハザード
…… e. ツカサ
降下するエレベーターの中で、俺は彼女の言葉を反芻していた。
『金森禄郎巡査、これから一課の捜査に加わってください。……この事件が終わったら、移動願、出してくれて構わないから、ね』
(そう言われても、なぁ……)
行くアテがない。
一課に行こうにも、そう簡単に捜査に加えてもらえないだろうし。かと言って、今の俺に頼れる人間はここには居ない。
どうしたものか。
うんうん唸っていたら、不意にドアが開いた。そして、腹の鈍い衝撃。
「わわっ、ごめんなさい」