クライムハザード
★
鑑識課までの道のりを、並んで歩く。
俺の隣で、彼女はすまなそうに言う。
「すいません、荷物」
「いえ、構いませんよ」
彼女が持っていた箱は見た目よりも重量があって、ずっしり重い。見た感じ華奢な体型なのに、意外と力があるみたいだ。鑑識って、案外力仕事なものだろうから、そうなのかも知れない。
「あ、申し遅れました。ぼく、鑑識課の卜部司(うらべつかさ)です。よろしくお願いします、金森さん」
名札を見せながら、卜部さんははにかんだように顔を綻ばせた。
女性なのに“ぼく”だなんて変わっている。警察って男社会だから、揉まれるとそうなるのだろうか。
鑑識課までの道のりを、並んで歩く。
俺の隣で、彼女はすまなそうに言う。
「すいません、荷物」
「いえ、構いませんよ」
彼女が持っていた箱は見た目よりも重量があって、ずっしり重い。見た感じ華奢な体型なのに、意外と力があるみたいだ。鑑識って、案外力仕事なものだろうから、そうなのかも知れない。
「あ、申し遅れました。ぼく、鑑識課の卜部司(うらべつかさ)です。よろしくお願いします、金森さん」
名札を見せながら、卜部さんははにかんだように顔を綻ばせた。
女性なのに“ぼく”だなんて変わっている。警察って男社会だから、揉まれるとそうなるのだろうか。