クライムハザード
ドアの向こうには、ドラマで見たのとよく似た光景があった。
数台のパソコンと、金属製の棚、そして無数の段ボール箱。
資料の多さに圧倒されながら、部屋の手前で卜部さんを待つ。
室内では、鑑識課の制服に身を包んだ数名の男性が、各々作業を進めている。……彼らから、敵意と蔑みと同情の入り交じった妙な視線を感じるのは、気のせいだろうか。
(あまり、歓迎されていないみたいだな)
ふぅ、と小さく溜め息を漏らすと、ちょうどそこへ大振りの茶封筒を小脇に抱えた卜部さんがやって来て、
「ここでは何ですから、場所を変えましょう」