クライムハザード
…… f. ジホウ
あれから事件は意外な局面を迎えた。
一課の捜査で浮かび上がった事実はよっつ。
ひとつ目は、被害者は左利きだったこと。これは、受話器のコードの捩れや、この間の指紋に関する報告から、当然といえよう。
ふたつめは、目撃者。当初、真夜中という時間が時間だけに、目撃者は居ないものと思われていた。しかし、地道な聞き込みの結果、マンション周辺住民が見馴れない男を目撃していたことがわかった。
みっつ目は、被害者がストーカー被害に悩んでいたこと。所轄署に、被害届が出されていた。最近それがエスカレートし、脅迫めいた手紙が送られてくるようになったという。『殺してやる』、と血文字で書かれた手紙が。一課は、今回の犯人をストーカーと見て捜査を進めている。
そして、よっつ目は。