触れて、抱きしめて、あなたのモノ
「綺麗だよ、真美ちゃん。ずっと触れていたいって思うくらい」
そう言って大地さんは、私の事を抱きしめたまま、肌へとまた掌を滑らせていく。肌の感触を確かめるように、何度も何度も。
……1番欲しかった言葉をくれた。心から嬉しいと思った。
そんな風に言ってくれるのならば、
「もっと触れて、そしてずっと抱きしめて。私は大地さんのものだから」
彼の背中にそっと腕を回し、彼を抱きしめ返した。
容姿を気にする事は、周りの人への思いやり。傍に居てくれる人への思いやり。
私はあなたのものだから。綺麗な姿であなたの隣に在りたい。
それが私を愛してくれるあなたへのお返しで、あなたへの“思いやり”だと思うから。
『触れて、抱きしめて、あなたのモノ』Fin.