レンアイ ルール



結局、今日一日じゃ何もわからないまま放課後を迎えた。

今日ももちろん、補習を受けるために教室へ向かう。




その途中、


「あ、先輩だ・・・」



グラウンドへと向かう生徒会長を見つけた。



やっぱり・・・かっこいい・・・

兄弟のいない私は“お兄ちゃん”に憧れがあって、そのせいか年上がタイプ。

そんな中でも生徒会長は、完璧にわたしのタイプをそのまま人間にしたうような人。




窓に張り付いて先輩をじっと見ていると、



「見過ぎで気持ちわりぃよ・・・」



突然後ろから声を掛けられた。



「やまと!」



私と同じ補習を受けるためだろう、大和がいつの間にか私の後ろにいた。

先輩を見るのに夢中になりすぎて、まったく気づかなかった。



「そんなにいいか?あの先輩」

「当たり前じゃない!!」



窓にもう一度張り付いて先輩を見る。

すると、偶然こちらを振り向いた先輩と、一瞬目があった気がした。




「見た!?今、私の方見たよね!!?」



ほんの一瞬だったけど、がっちり目があった気がして、一気にはしゃいでしまう。



「違うだろ・・・っていうかさ、おまえ先輩好きって、本気なわけ?」

「え・・・?だから、前から好きだって言ってるじゃない」



私にとって当たり前の事を重ねて聞いてくる大和にイラッとする。

でも大和はハァ・・・とため息をついて落ち着いた声で私にもう一度言った。



「そうじゃなくて、それはテレビでアイドル見てキャーキャー言ってるようなもんじゃねぇの?じゃなくて、本気で好きなのかって聞いてる」





「本気で・・・?」






本気で好き・・・って。

恋愛感情、って事?




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