レンアイ ルール
ま、デートじゃないならいいや。
「じゃあね、ゲームがんばってー」
大和に手を振ると、大和はカバンを持ってドアへと向かう。
「おまえ、帰んねーの?」
「ん、今日は翼を待ってようかなと思って」
翼はサッカー部。
練習終わるのを待つことはめったにないんだけど、たぶんもうすぐ終わるし。
それに先輩への思いを自覚した今、先輩と同じサッカー部の翼には色々聞きたい事がある。
「おまえさ、翼とやたら仲いいけど、それ大丈夫なわけ?」
「え?大丈夫って…?」
一度は教室を出ようとしていた大和が、私の隣の席へ戻ってくる。
「翼だって男だしさ、なんかあったり?」
「ははは、ないない!!私、翼とは本当に仲良いの!!もうさ、こう…性別を超越?的な?」
自慢じゃないけど、私と翼の友情は本当に固い。
そんな事、あるわけない。
でも、大和は「そうじゃなくて」と頭を抱えた。
「おまえはそうでもさ、もし、翼に好きなやつとかいたらどうすんの?お前と付き合ってるって誤解させたら翼が困るんじゃねぇの?」
「え…?」
「いや、まぁいいや」
しまった…という顔を一瞬して、
大和は立ち上がり帰ろうとする。
でも、待って。
なんか、今の言い方…
たとえ話って感じじゃなかった。
「大和、何か知ってるの?」
教室を出ようとしていた大和の肩がビクッと揺れる。
「もしかして翼、好きな人いるの?」