レンアイ ルール
「まあまあ、俺たちウォータースライダーの方いくけど、大和たちどうする?」
ここのプールの目玉ともいえる大きなウォータースライダーは、来たなら絶対乗るべきメインのひとつ。
絶対みんな乗るって言い出すと思ったけど、やっぱりきたか。
「あ…私は…」
当然だけど、私は絶対乗れない。
あんなの絶対無理。
でも、みんな楽しんでるのに、私だけ行かないとか、
空気悪くしちゃうかな…
と思っていると…
「俺、パス」
隣から、そんな声がした。
…大和?
「俺ちょっと疲れたから、美緒と待ってるわ」
そう言って、みんなをウォータースライダーに向かわせた。
「……」
大和、なんで?
泳げない私のために?
「おまえが気にすんなよ?
こうすりゃ瞳と翼の邪魔にもなんねーし、いい考えだと思っただけだから」
照れ隠しにそう言う大和だけど、
いい加減私にもわかるよ。
それが大和の、私への優しさだって事。
「ありがとう」
その証拠に、
私の感謝の言葉に、大和は嬉しそうに笑ったんだ。