レンアイ ルール
だめだ。
ここで二人でじっとしていると、おかしな事を考えてしまいそうになる。
「なんか飲むか?買ってくる」
「じゃあ、コーラ!」
「もっと可愛いもん飲めよ」
「ウルサイ」
そう言って売店へ向かう。
水着姿の美緒を一人にするのは心配だったけど、売店はすぐ近くで美緒の姿も確認出来る。
売店の隣に並んだ自販機に並び、
ちゃりん、と小銭を自販機に入れ、美緒の分のコーラを買う。
俺は、ペットボトルのミネラルウォーターを買った。
買った二つの飲み物を両手に持って振り返り、さっきまですわっていた場所を見ると、
「あれ?」
そこにいるはずの美緒がいない。
慌てて走って戻り、きょろきょろと周りを見回す…と、
いた。
プールサイドを売店とは逆方向に。
美緒は知らない男に手を引かれて歩いている。
美緒は嫌がるように手を振り払おうとしているけど、
ニヤニヤと笑うその男は強引に握った手を離さずにつれていこうとしている。
あの、バカ。
この一瞬でなんでそうなるんだよ。