レンアイ ルール
「危ないだろ…!!簡単に着いて行くなよ!!」
わかってる。
美緒は悪くない。
強引なナンパ男が悪いって、わかってる。
でも、理不尽に怒る俺に、
「ごめん…」
しょぼんとした美緒は、素直に謝ってきた。
「…」
そんな風に素直に謝られると、なんとなく居心地が悪い。
なんだよ、いつも気が強いくせに。
こんな時だけ素直になるなよ。
俺は黙ってコーラを渡した。
「ありがと」
そう言って美緒は受け取る。
さっき持ったまま走ったせいで、プルトップを引くとコーラはプシュッと美緒の顔めがけて噴き出した。
ぷっ…
「っはは!ひどーい」
そう言って笑う美緒。
一緒になって俺も笑った。