レンアイ ルール
「あ!やだ、こんな時間!」
話し込んで、気が付くと時計の針は5時半を指していた。
他の生徒はみんなもうすっかりいなくなって、教室には私と大和の2人しかいない。
「山口と佐々木待ってんの?」
「ううん、先に帰ってもらったよ」
「ならいいじゃん」
いつも一緒に帰っている2人には、補習だからと言ってある。
だからと言ってまだこの時期は、5時でも夕焼け空が薄暗くなりつつある。
「だめだよ、暗くなっちゃうもん。最近不審者とかいるから明るいうちに帰らないと」
「不審者って、おまえじゃなくて?」
「ちょっと、どういう意味よ!」
信じられない!
いくら女に見てないにしても、普通こういう場面では女子の帰り道を心配したりしない!?
これだから、大和は彼女が出来ないんだ。
そんなに外見は悪くないのにね、性格に難アリ、だもん。
そんな事を考えながら帰り支度をしていると、大和が信じられない事を言った。
「・・・しょうがねぇな、送ってってやるよ」
ちょっと、どうしちゃったの。
そんな女の子扱いみたいな事するなんて。
「えー、大和、不審者いても勝てるの?」
「黙ってさっさと支度しろ」
そういう大和は、すでに鞄を持って教室のドアの前で私を待っている。
「はーい」
私は慌てて大和の元へ向かった。