レンアイ ルール



「翼がさ、プール行きたがったんだよ」



ゆっくりと廊下を歩いていると、突然大和が口を開いた。



「…え?」




翼が?



翼は、爽やかなサッカー少年だけど、私も翼もお互い恋愛っぽい空気は全くなくて、本当に仲良く信頼出来る友達。

付き合いは中学からで、お互い何でも知っているから、翼がいきなりプールだなんて不思議な提案をしたっていうのがちょっと想定外でびっくりした。


なんていうか、突拍子もない事言い出す大和が出所だと納得なんだけど、よく知ってる翼、だからかな。





「意外?」


「・・・うん」


「へぇ、美緒でも翼の事で、そういう風に思ったりするんだな」




大和がボソッと呟いたその言葉の意味が、私にはよくわからなかったけど、何だか少し悲しげに聞こえた。



だから私は、なんとなく話を変えようと、視線を泳がせた。


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