レンアイ ルール
「あ・・・!」
泳がせた視線の先に、一人の先輩がいた。
私の声に、大和も私の視線をたどり、その先輩に気づく。
「あー、生徒会長か」
「かっこいいよねぇ・・・」
生徒会も今終わったのか、数人の生徒会員らしき人と歩いている。
他の生徒よりも頭一つ分高い身長に、短い黒髪がよく似合ってる。
たまにメガネをかけている日もあって、それもまたいい。
勉強もできるし、サッカー部でもダントツに上手いらしい。
たぶん、学校で一番人気のある先輩。
「女はああいうのに弱いよな」
「男はああいう先輩みたいになりたいと思わないの?」
「はっ、ならないならない」
少し馬鹿にしたようにいう大和に少しイラッとした。
「大和はちょっと先輩を見習ったほうがいいよ」
「必要ねぇな、早く帰るぞバカ」
そう言い捨ててスタスタと昇降口へと向かってしまう。
いや、必要でしょう!?
やさしさも、スマートさも、カッコよさも、
全部あんたには皆無じゃない!
「は?」
「・・・え?」
しまった。
声に出てたみたい。
「いい度胸だな、オイ」
「え・・・いや、あはは」
だから、そういうとこが怖いんだってば・・・!!