俺様な日向くんとラブバトル⁉︎
本当は言いたいことがあるのに、何も言わずそっとしてくれていたお母さん。
昔からそうだった。
あたしから話せば聞いてくれるけれど、お母さんからは聞かない。
親子では珍しいかもしれないけれど、あたしにはその距離感がすごく嬉しかった。
「じゃあ、そろそろ行くね。」
「いってらっしゃい、気をつけてね。」
リビングに置いてあったカバンを持ち、玄関を出て自転車を出そうとガレージに行くと
「おはよう」
「咲歩……」
ガレージの壁にもたれかかっていた咲歩。
「何ボーッとしているのよ、ほら行くよ。」
いつも通りの咲歩だけど、嬉しくなって咲歩に抱きついた。
「ちょっと⁉︎急に抱きつかないでよ」
「咲歩大好き‼︎」
「あー、はいはい。」
素っ気ない返事だったけど、咲歩の頬が緩んでいることは言わないでおこう。