あたたかい場所
数日後、僕は東京に居た。
部屋は5階建ての3階の1LDKを借りた。
築二年の今時のアパートは、父さんの昔の知り合いの不動産に紹介してもらった。
荷物はまだ、スーツケースひとつ分の服や下着と、ベッドのみ。
今日からこの部屋で寝ることを考えて、ベッドだけは早く運んでもらった。
明日には実家からの荷物も届くことになっている。
電気、ガス、水道は繋いでもらったから、風呂も家で入った。
家の近くのコンビニで買ったインスタントの蕎麦を食べながら、
明日から始まる新生活に心が躍っていた。
家から徒歩15分の所には、僕の勤め先がある。
最寄駅は徒歩10分で、駅の周辺にはいろんな店もある。
そんな些細なことが、やっぱり東京だなぁと感じさせた。
求めているものが近くに揃っていて、充実した暮らしができる場所。
新しく買ったベッドだけがある洋室で、僕は早めの眠りについた。