あたたかい場所
「キャー!HOT HEART!」
「お母さんうっさい。静かにしぃ」
玄関のドアを開けた瞬間、大声を上げたおばさんに美紗と僕以外の四人は苦笑いをしていた。
美紗はずかずかと部屋の中へ入っていき、僕たちのことは放置。
「すまへんねぇ、こんな有名人に会えるやなんてびっくりしてもて~」
美紗そっくりの関西弁で話すおばさんに、少し四人も安堵の表情を浮かべている。
「あ、どうぞ入って~。対して広くもないねんけど」
「お邪魔します」
有村さんが靴を揃えて廊下を歩いていくのを先頭に、僕は約半年ぶりに美紗の家に入った。
「いらっしゃ~い!」
おばさんによく似た大声で僕たちを迎えたのは、僕の母さんだ。