あたたかい場所
美紗の家のダイニングテーブルに並んだ11人分の食事。
どて焼きや、きつねうどん、おでん…色んなものが並んでいる。
いつも使っているであろうテーブルじゃさすがに足りないようで、
同じ高さの折り畳みテーブルをくっつけて大きくしている。
「皆さんいっぱい食べてなぁ~」
「お母さん、おでんはないやろ。今真夏やで?」
「ええやないの。大阪の味を食べてもらいたいやんか」
「熱いやん。汗かくやん」
「ごちゃごちゃ言うんならあんたは食べんでええのよ?」
「はいはい、大人しく食べますがな」
美紗とおばさんのやり取りに皆が笑った。
箸を持って料理に手をつけだす美紗に、皆もいただきます、と言って料理を食べ始めた。
「美味しい!青山くんの言ったとおりだね。優しい味」
僕の隣に座った彩芽さんの前にはうどんの器。
気に入ってもらえたみたいで良かった。