あたたかい場所
「あ、そうだ。これ京都のお土産」
ユリアさんはなんとも京都らしい桜と葉っぱが描かれた袋を楽屋のテーブルの上にポンッと置いた。
「抹茶のお菓子とか、八ッ橋とか。とりあえず数日で食べれるものだけ持ってきたの。
事務所にも送ったからそれはまたあとで渡すね。
千晴ちゃんも、青山くんも食べて」
「ありがとう、ユリア」
「ありがとうございます」
袋を有村さんと一緒に覗くと、美味そうな和菓子がいっぱい。
僕は結構甘党だから、早く手をつけたい気持ちがあったけど我慢した。
「私と青山くんは関係者席で見るけど、ユリアはどうするの?」