あたたかい場所
新幹線で東京に着いたのはすっかり夜も更けた頃。
「青山くん、明日からも通常通り仕事あるから…疲れてると思うけど」
「大丈夫です。お疲れ様でした。あと、由香が迷惑かけてすいませんでした」
「いいのよ。あ、これ由香ちゃんに持って帰ってもらって」
有村さんが僕に渡してくれたのは、ユリアさんの京都のお土産。
「受け取れませんよ!これ、メンバーに持ってきたものじゃないですか」
「いいのいいの。メンバーの分も、ごっそり事務所に届いてるらしいの。
青山くんにも明日渡すから…これはあくまでも由香ちゃんの分ね」
本当申し訳ないな…有り難いけど。
「じゃあ頂きます。ありがとうございます」
「うん。じゃあこれで。皆!行くよー」
有村さんとメンバーは一度事務所に戻るらしい。
僕は由香がいることもあってか、配慮してくれた。
「ありがとうございました」
最後に頭を下げただけ、由香はまだマシだな。