あたたかい場所
不明
予想通り、由香は僕のベッドで寝た。
一瞬思春期の女の子らしく“お兄ちゃんのベッドなんかで寝れない”なんて言うかと期待したけど…
そんなことよりも由香は寝心地を優先するタイプだった。
朝目覚めて時間を確認すると、六時を少し過ぎていた。
いつもより少しだけ早い目覚めはきっとソファーで寝たからだな。
体を起こすと、廊下にあるキッチンからなんだか焦げ臭い匂いが漂ってきた。
何事かと思って立ち上がる。
一応仕切りがある洋室のベッドに由香の姿はない。
廊下に続くドアを開けると、由香が居た。
「あ、おはよ。焦げちゃった~」
由香の両手に、二枚の皿。その上にあるのは…謎の物体。
真っ黒の、たまに黄色の物体。