あたたかい場所
「えっと…ユリアと、HOT HEARTぐらい…です」
やばい。ちゃんと調べてくれば良かった…
ユリアとHOT HEARTなんて、音楽に興味ないやつでも知ってるよ…
項垂れていると、頭の上から笑い声が聞こえてきた。
「…え?」
「はは、いいね。その素直な感じ、気に入った」
「はぁ、ありがとうございます」
「青山くんは仕事が出来そうだね。
ここまで連れてきてくれた女の子…分かる?」
「あ、はい。小柄な方ですよね」
「そうそう。
あの子についてもらう。
ああ見えてスパルタだから、覚悟してね」
「わかりました」
「はい。話は終わり~じゃあ仕事、頑張って」
社長は楽しげに言って、デスクの革の椅子に座った。