あたたかい場所

「晴輝さんはいいの?」

コンビニで大量のビールを買い込み、僕のアパートに向かう途中。

僕の質問に、美紗は目をパチパチさせてこっちを見ている。


「なんで知ってんの」
彩芽さんの名前を出すと、やっぱり、と言ったような顔でため息を吐いた。


僕にはそれが少し気に障る。

「何で言ってくれなかったの?」

「別に、隠してたわけちゃうし」

「僕の事信用してないのかよ」

「そうちゃうって」



僕が世間に漏らすとでも思っているのだろうか?

僕は美紗の事務所の社員だぞ。

タレントのプライベートを暴露するなんて即クビだ。



ましてや大事な幼馴染みの熱愛をバラすなんてこと、するわけないのに…


口が軽く思われてたとしたら、かなりガッカリ。
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