あたたかい場所
休憩室、という小さな看板がある部屋をノックする。
返事が返ってこなかった。
「失礼しまーす」
ふう、とため息をついてからドアを開けた。
部屋の中には、L字型のソファがあって。
そこに小さく丸まって眠っているのは、紛れもなく…
美紗だった。
「…」
「…zzz」
気持ちよさそうで、昔より少し大人っぽくなった美紗の寝顔。
手を伸ばせば届くこの距離が、ひどく僕を緊張させた。
ただ、起こしに来ただけなのに。