あたたかい場所
「それで?なんで隠した?」
「…」
「そうやって口割らないつもりなんだ?
じゃあ君んとこの大事な仲間、終わっちゃうね」
「…話す」
「それでいい」
男はまたニヤリと笑うと、翔さんの話を興味ありげに聞いている。
翔さんは聞かれたくない話なのか、声のトーンを下げていて、僕には聞こえてこない。
何を話しているんだろう。
この男は、誰なんだろう。
僕は隣の本屋に入って、二人の話が終わるのを待つことにした。