あたたかい場所
「MISAさん!起きてください!!」
仕方なく、肩を強く揺さぶってみると、美紗は目を擦って起き上がった。
「取材、行ってください」
「…はーい」
この様子からして、美紗はまだ僕だって気づいていないようだ。
「てゆーか、あんた誰?見ーひん顔や…な」
やっと、気づいたか。
「新入社員の、青山聡です」
にやり、と笑ってやった。
「…」
美紗の息を飲む音が聞こえた。
「早くしないと、取材遅れますよ」
「…わかっとる」
美紗は立ち上がって、ソファに被っていたブランケットを放り投げた。
「じゃあ失礼します」
そう言って休憩室から出ようとした。