あたたかい場所
僕はもう美紗から逃げない。
美紗の辛さは痛いほど分かる。
それをマネージャーとしてだけでなく、幼馴染みとしても支えたいんだ。
だけど僕には、手が届かない所もある。
メンバー同士でしか助け合えないところもある。
彩芽さんは、美紗の支えになれるし、もう既になっている。
「青山くん、たまには良いこと言うじゃん!」
「たまには、って余計ですよ」
僕の背中をバンッと叩いて、笑顔を見せた彩芽さん。
僕も少しは、頼りになっているのかな。
美紗だけじゃなくて、彩芽さん、翔さん、晴輝さんのことも、僕は支えられるようになりたい。
神田さんや千晴さんみたいに。
美紗は強くなろうとしてるんだ。僕も一緒に強くなろう。
「晴輝さん、翔さん!撮影の続きあるんで行きましょう!」
「はーい!」
二人にもタオルを渡して、残りの撮影をするためインテリアショップに向かった。