あたたかい場所

「知らなかったんだから、当たり前だよ」
「でも…」



「それに美紗は、青山くんがいたことで救われてた部分があったと思う」

「…美紗がですか」


「うん」
翔さんは何か確信でも持っているように頷いた。

「何も知らないからこそ、純粋な気持ちで俺たちを見守ってくれてる青山くんの存在が嬉しかったんじゃないかな」

「…」

「信じられないかもしれない。
美紗は照れ屋だから、あんまり言葉にしないし。

だけど、すごく支えになっていたんだと思うよ。

美紗は上京して知り合いが一人もいなかったけど、青山くんが近くにいてくれることで
ホームシックもなくなっただろうし。



…この間も言ったけど、青山くんに美紗はこのことをきちんと自分から話すつもりでいた。


自分の口から大事なことを伝えたいって思うのは、大事な人だからじゃないかな」
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