あたたかい場所
「どうぞ」
「ありがとう」
社長はすぐにココアを口にした。
綺麗な顔は途端に少女のようにあどけない笑顔になった。
まるでプレゼントを買ってもらった子供みたいだな。
「…今、子供みたいって思った?」
「!あ、いや…」
「図星ね?悪かったわね、子供みたいで」
社長は口を尖らせた。
「いいえ。ココアお好きなんだなと思っただけですよ」
「うん、好き…。
亡くなった母がよく淹れてくれたのよ」
「そうなんですね」
社長の顔はすっかり綻んでいた。
「ねぇ、青山くんって」
「はい?」