あたたかい場所
「動いたなー、お腹空いたわ!どっか入ろうや」
「うどん食べたいな」
「うどん!?熱いやん」
「それがいいんだよ」
「まぁ、今日は聡に付き合ったるわ。買い物も付き合ってくれたしな!」
おじさんと由香のプレゼントを選び終わった後、美紗の買い物に散々付き合わされた。
荷物もいつものごとく持たされた。
でもこれで、美紗の気分転換になるなら良しとしよう。
「ここはいろか」
うどんの専門店は昼時で混んでいたけど、なんとか個室に入ることが出来た。
「うちざるうどんにしよ~、聡は?」
「肉うどんかな」
「じゃあピンポン押すで」
「待って。サングラス外すのは食べる時だけ」
呼び鈴を鳴らしそうになった美紗は、サングラスを外していた。
警戒しなきゃいけない。少しでも気が緩んだ時に、大変なことになるんだ。
それは美紗も分かっているのか、何も言わずサングラスをかけた。
注文を取りに来た店員も絶対気づいていない。ホッとした。