魔法使いになる方法
ヒルはクッキーを作っていた。

学校で友達が作ってきたのを見て、自分でも作ってみたくなったのだ。

たまには女の子らしく、お菓子作りで休日を過ごすのも良いかもしれない。

「こんなもんかなっ。」

充分過ぎる程にこねられた生地を、クッキー型で星の形にくり抜いてオーブンへ。

果たして、クッキーは焼き上がった。

「う。」

ヒルの顔が曇る。

クッキーは真っ黒焦げだった。

しかも、ひび割れて、変な臭いまでする。

恐る恐る、かけらをひとつ口にする。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop