魔法使いになる方法
「ま、まずい!」

クッキーは苦くて、ザラザラして、ものすごくしょっぱかった。

どうやら、砂糖と思って入れたのは、塩だったようだ。

なんてベタな失敗をしてしまったんだろう。

落ち込みつつも、口をゆすごうとクッキーに背を向けたその時、

「旨い。」

男の声がした。

驚いて振り向くと、どう考えてもキッチンには似合わない恰好をした男が、黒焦げのクッキーを食べていた。
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