春風



成美は不安そうな顔をしていた。


なにも言ってあげられなかった。


【じゃあ…そろそろ帰るね。】


【あぁ。駅まで送るよ。】


帰り道もどこかぎこちなくて、もどかしかった。







ゆっくりだけど、確実におれたちの未来は動いていった。



雲のように。



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