春風
【ハァハァハァ…】
やっと着いた。成美の家に。
もう一度成美に電話をかけた。
【…もしもし?】
【今からちょっとでてきて?】
【うん…わかった】
5分ほどして、成美がでてきた。
どれほど泣いたのだろうか。目が真っ赤になって腫れている。
おれはなにも言わないまま成美を抱きしめた。
成美はおれの腕の中でまた泣きはじめる。
【ごめんな…成美。もう離さないから。ちゃんと成美の笑顔の理由になるから。】
【うぅ…ハルぅ…】
成美はひたすら泣き続けた。