春風



今年も前半は両者無得点。


後半が勝負だ。


先に点を入れたのは青欄だった。


圭一からのきれいなパスを、おれがそのままゴールに打ち込む。おれたちのいつもの形。


赤藤もすぐに追いつく。


おれたちの点のわずか3分後。一瞬の出来事だった。出すぎていた篤紫の頭上をボールは弧をえがき、ゴールの中に吸い込まれた。


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