春風
【今日ね、もしかしたらハルが来るんじゃないかなって思ってた。理由はないけど…なんだかこの風が、ハルのにおいをつれてきてくれた気がするの。
ハル…大好きだったよ?
じゃあ…行くねっ。】
成美の涙は消えていた。
【ハルっ!!ほんとにありがとう!!】
最後に今までみたことのない、最高の笑顔を見せて、成美はゲートの中に消えていった。一度も振り返ることなく。
あの日のおれの後ろ姿もこんなに寂しかったのだろうか…