春風



そこに先生が入ってきた。


【今日は転校生が来るからな―。入って。】


クラスの全員が見守るなか、入ってきたのは色が白くて、少し体は細く、繊細そうなやつだった。


【自己紹介できるか?】


【はい。】


か細いけど、透き通るような綺麗な声で続ける。


【藤原圭一[フジワラケイイチ]です。よろしくお願いします。】

それだけ言うと、あとは黙っていた。


席は篤紫の隣だった。


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