春風



そんなある日の出来事だった。


篤紫と圭一とのいつもの帰り道。

圭一はもちろん、おれと舞のことは知っている。


【そういや春仁、昨日デートしてた?】

なにげない圭一の一言。



…昨日。してないはずだ。


【いや…してない。てか昨日も一緒に帰ったじゃねぇか。】

【…だよな。】


困ったようにつぶやいて、篤紫の顔をおそるおそる覗きこむ圭一。



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