恋が始まる5秒前
その日から目に焼き付いて離れないの。

どこのだれかは知らないけれど、絶対に間違わない自信がある。

ただもう一度会ってみたくて。

できればあの指に触れてみたくて。

用事を作ってほかの部署に行ってみたり、

お茶当番でもないのに同じ時間に片づけに行ってみたり、

うろうろ。

うろうろ。

行ったり、来たり。

想いばかりが募っていく。
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