妹が彼氏欲しいらしいから俺が仮の彼氏になってみた
花村と二人で恋愛映画を見るというのも新鮮味があるな。
でもあまりにもベタな展開だな。
ある日突然イケメンの転校生がやって来て突然『俺と付き合え』だの言われ、振り回されていやいや言いつつもいつの間にか好きになってるという、よくできた話だ。
こういう物語に女の子は惹かれるんだな。
今日は練習に来たんだからな。
そこは履き違えないようにしないと...
また花村が静かだ…
俺は隣に座っている花村を見た。
何かムズムズしてるな。どっか痒いのか?
若干顔も赤いし...もしかして...
「花村、お前こういうの見るの初めてか?」
「そう...ね。このような恋愛モノの映画はなんというか...居心地がわるいわね。」
「どうしてこうイケメンというのは、間違った壁ドンをするのかしら。壁ドンはこんなんじゃないわよ。」
確かに世間に浸透している壁ドンは、男が女を壁際に追いやり、壁をドンとし責め立てるのだが本当は、マンションやアパートなどで隣の住人が、うるさい時に壁をドンと行うのが本当の壁ドンなんだが、何故間違った解釈がされているのか...
まあそれはどうでもいいんだ。
...終わったな。
「花村、どうだった?」
「特に際立った点はないし、面白いとはいい難い内容だったわ。何故あんなに典型的な展開しか出せないのか疑問だわ。」
「お見事な感想をありがとう...」
まあ花村のことだし何か批判的なコメントを言うのだろうと考えていたが...
次はショッピングセンターでも行くか。