妹が彼氏欲しいらしいから俺が仮の彼氏になってみた
狩りデートo(οωΟ*)o
昨日、妹の衝撃の告白からというもの俺は何故あんな事を言ったのか不思議に思っていた。
まあ妹の頼みだから、受けないことにはいけない。
だが受けたのはいいが。肝心の俺も異性と付き合った経験は一度もない。
さて...どうするか。
「おっす研ちゃん。どうかしたか?」
嵐に聞いてみるか。
「あのさ...」
俺は嵐に事情を説明する。
「へえ。彼方ちゃんがそんなことを。だからといって兄であるお前が引き受けることはなかったんじゃないか?」
「そうだよな。でもせっかくの妹の頼みだし引き受けない訳にはいかないだろ?」
まあ確かに兄妹で付き合うっていう感覚はどうかと思うが、妹に彼氏ができるまでの仮の彼氏ということで、それなりのサポートをしなければいけない訳だ。
「研ちゃん妹思いだからな。それなりのアドバイス的なのはしてやるよ。」
「ありがとな。ところでさ嵐って付き合ったことあるだろ?高2の夏あたりにさ。」
突如嵐の顔が蒼白する。
「ま、まああるっちゃあるけど...その時の相手言っただろ?なんていうかその...BL好きってやつだったんだよ...」
あーそうだったな。確かしたのクラスの子で、BLが好きなのに一目惚れってやつで嵐を好きになったんだったな。
でも同性愛好きだからやっぱり異性と付き合うのは変だとか言われたんだっけな。
「いい思い出だな。」
思わず笑いが溢れてしまった。
「研ちゃんもそういう子には気をつけろよ。お前がだってそれなりなんだからな。」
それなりね...
そのあと一緒に嵐と学校へ向かい教室前で別れる。
よし、じゃあやってやるか。
「おはよう一条研くん!今日こそこの僕と愛のレクイエムを...」
「嫌です。」
俺死んでるじゃねえか
こいつにだけは突っ込まないと、何されるか分からないからな...
「おはよう一条くん。」
「おはよう蒼太。」
蒼太が女だったらどれだけ嬉しいことか...こんなに愛らしい笑顔で、素直な子...て俺はなんてことを...
「どうかした?一条くん?」
「いやなんでもない...」
頭の周りで星がキラキラしてるぞ...
「前世ぶりね、一条くん。」
「ああ久しぶりだな...」
「...?」
ん...?唯一近くにいる女子がここにいたな。
でも花村と付き合うっていったらどんな感じになるんだろうか。
おそらく寿命が一万年と二千年縮むのだろうな。
花村は運命の相手など気にしないであろう。
「あらどうしたの一条くん。いつものあなたのpriority pointを捻回して出したようなできの悪いツッコミはどうしたのかしら。」
「いやちょっとな、考え事だ。」
でも練習にはなるかもな。花村に頼んでみるか。
「なあ花村。お前休日空いてるか?」
「私はいつでも忙しいのよ。休日には、一人パソコンの向かい、PSO2のビジフォン端末前で緊急クエを待っていなければいけないのよ。本当なら今すぐにでもパソコンを開きたいのだけれど、そうにはいかないのよ。」
「ただのネトゲ廃人じゃねえか!勉強しろよ!」
「あ、チームから連絡ね...ダークファルス・ルーサーを討伐したらしいわよ」
「すげえ強えなおい!」
「というより、休日に何故私を呼ぶのかしら。」
何だこの切り替えの速さ...
「いやちょっとな...」
カクカクシカジカ...
「そ、それって私じゃなくてもいいじゃないかな...」
花村から小さな声が聞こえたが聞き取れなかったから気にしないでおこう
「あらそうなの。いい度胸ね私をデートに誘うとは、あなたも地獄に堕ちたいのね。」
「お前は何もんだよ...」
「一条くん!花村さんをデートに誘うの?」
「いや違う!そんなんじゃ...」
変なところで食いつかないでくれ。蒼太...
「やっとこの鈍感男、私の幾多にも美を追求しやっと手に入れたこの美貌の魅力に気付いたのよ。」
「それ整形してませんか!?」
「ほんとなの?一条くん...」
「お前が変な事を言うから蒼太が泣いちまったじゃねえか!」
「私のせいとは失礼ね。一条くん、篠宮くんのために、今すぐ私の靴を磨きなさい。」
「俺あんたの奴隷じゃねえよ!」
「一条研くん!花村さんよりもこの僕の上腕二頭筋に弄ばれて...」
「嫌です。」
天草、お前はいいパントマイム師になれるぞ。
朝からいいウォーミングアップが出来たなこりゃあ...
「まあいいわ。あなたがそう言うならやってあげるわ。」
花村は承諾してくれたようだ。
とりあえずはいい...のか?
休日は波乱の予感がするけど...
まあやれるだけやってみるか。