泣き虫らいおん【短編】
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気がつくと、僕はいつものようにみゆちゃんの隣に横たわっていた。
太陽はもう昇っていて、動くことができない。
「ポチ、おはよう」
そのとき、みゆちゃんが起き上がって、ふわぁ…と大きな欠伸をした。
そして、はぁ……と、短く息を吐いて、涙を流す。
みゆちゃん……。
また、泣いてるの?
僕、みゆちゃんには笑ってほしいな。
みゆちゃんに、元気だしてほしい──。
“が ん ば れ”
いつの間にか、僕の口から、そんな言葉が紡ぎだされた。