猫とあたしの物語
ボケ〜とその男の人を眺めていると
突然、話しかけられた。
「おっ?起きたか、真白。」
なんであたしの名前、知ってんだろ…。
そう思っていると…
ある事に気が付いた。
王冠の横に生えてる猫耳っぽいやつ。
右だけ少し、欠けている……。
あたし、これ見たことがある。
デ…デジャヴってやつかな…?
「お前、ここがどこか分かるか?
病院のベッドの上だぞ。
まーだ、寝ぼけてんのか。
それとも、まだ完全に
治癒されてないのか?」
そう聞かれたが…
今、一生懸命、この人の事を
思い出そうとしているあたしの
頭の中では話されている言葉さえも
理解し難かった。
「どうやら、まだまだ
治っていないようだな?
そんなら。
仕方がねぇ…。」